



妊活を始めたばかりの方にとって、「タイミング法」は自然妊娠にもっとも近いアプローチです。
一方で、なかなか結果が出ないと「人工授精や体外受精に進むべきなのか?」と迷う場面も出てきます。
今回は、妊活のステップアップに迷ったときの判断基準として、タイミング法から人工授精(AIH)、体外受精(IVF)への切り替えを検討する際の目安や流れ、当院での治療方針について解説します。
タイミング法とは、排卵の時期にあわせて性交渉のタイミングを取ることで妊娠の可能性を高める方法です。
もっとも自然妊娠に近い方法であり、妊活を始めたばかりの方や、妊娠に向けてまず自分の身体を知りたい方に適したステップです。
・女性の年齢が35歳未満である
・生理周期が安定しており排卵が確認できる
・卵管に異常がない
・男性側の精液検査に問題がない
・すでに半年以内の妊活歴がある
このような条件が揃っていれば、タイミング法での妊娠率は比較的高いとされます。ただし、妊娠率は1周期あたり10〜20%とされ、複数回の試行が必要です。
◎ 医学的に推奨される切り替えの目安
| 状況 | タイミング法からの切り替え目安 |
|---|---|
| 女性年齢35歳未満 | 6周期(約半年)試しても妊娠しない場合 |
| 女性年齢35歳以上 | 3〜4周期程度で検討開始 |
| 明らかな原因がある場合(例:精子数が少ない、卵管の通過障害) |
初期から人工授精(AIH)、または体外受精(IVF)検討 |
◎ 精子や卵管の検査結果から判断
・精液所見がやや不良 → 人工授精(AIH)
・精子数が極端に少ない or 卵管閉塞あり → 体外受精(IVF)
◎ 心理的・時間的・年齢的な事情
・年齢が40歳以上
・結果が出ないことによるストレスが強い
・できるだけ早く妊娠したい
このようなケースでは、早期に体外受精を選択する方も増えています。
● 人工授精(AIH:配偶者間人工授精)
精子を洗浄・濃縮し、子宮内に直接注入する方法です。性交なしでも受精機会をつくることで、妊娠率を高めます。
→ 精子が子宮内に到達しづらい方、性交が困難な方に有効。
● 体外受精(IVF)
排卵誘発により複数の卵子を採取し、体外で精子と受精させ、受精卵(胚)を子宮に戻す高度な治療。
→ 卵管因子、男性不妊、ステップアップ目的、原因不明不妊に有効。
ファティリティクリニック東京では、患者様の年齢・身体の状態・ご希望に応じて、無理のない治療ステップを一緒に考えていくことを大切にしています。
「できるだけ自然に妊娠したい」「早めに結果がほしい」など、妊活のスタートラインは人それぞれです。
当院では、以下のような流れを基本に、一人ひとりに合わせた治療方針をご提案しています。
・初期は、タイミング法や人工授精(AIH)など、身体への負担が少ない治療から開始
・一定期間結果が出ない場合、検査結果・年齢・妊娠希望時期などをふまえ、体外受精(IVF)も視野に入れてご提案
・治療ステップや進むタイミングは、医師・培養士・看護師が連携し、患者様と丁寧に相談しながら決定
治療の目的は「ただ妊娠すること」ではなく、安心して妊娠・出産に進んでいける環境を整えることだと私たちは考えています。
ファティリティクリニック東京では、高度な医療と、心に寄り添うサポート体制の両立を目指しています。以下の3つの方針に基づき、安心して治療に取り組んでいただける環境を整えています。
① 医療の安全管理
ISO9001の認証を取得し、医療安全管理室を設置。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)や多胎妊娠のリスク回避、災害時でも培養機器が安定稼働するようなシステムを導入しています。
② 高い医療水準の維持
JISART(日本生殖補助医療標準化機関)の監査合格施設として、精密な胚培養技術と専門スタッフによる治療体制を確立。単一胚移植による高い妊娠率の維持を目標に掲げています。
③ 心に寄り添う医療の実践
医師・看護師・胚培養士・心理カウンセラーが連携し、検査や治療の内容を一つひとつ丁寧にご説明します。不妊治療が「つらいもの」ではなく、「希望に向かう選択」として感じられるようサポートします。
今回は、タイミング法から人工授精・体外受精へ進む判断基準について解説しました。
妊活には「これが正解」という唯一のルートはありません。年齢や検査結果、ご夫婦のご希望などをもとに、ご自身に合ったステップを選ぶことが大切です。
ファティリティクリニック東京では、無理のない治療計画と安心できる診療体制を整えて、皆さまの一歩をサポートいたします。気になることがあれば、どうぞご相談ください。