Fertility Clinic Tokyo
スタッフブログ

スタッフブログ

【院長解説】なぜ不妊治療は『最短距離』で選ぶべきなのか。転院を考えるタイミング
院長 小田原圭2026年09月16日

 

はじめに

不妊治療を続けていると、「このまま同じ治療を続けていてよいのだろうか」「別のクリニックで相談した方がよいのだろうか」と迷うことがあります。

不妊治療では、一つひとつ段階を踏むことが必ずしもすべての方にとって最適とは限りません。特に女性の妊娠する力は年齢の影響を受けるため、限られた時間の中で、ご自身の状態に合った治療を選択していくことが重要です。

ここでいう「最短距離」とは、最初から高度な治療を選ぶという意味ではありません。必要な検査を行い、年齢や卵巣機能、不妊原因、これまでの治療経過などを総合的に評価し、妊娠・出産という目標に向けて必要な治療を適切なタイミングで選択することです。

今回は、不妊治療で時間を意識することが大切な理由と、現在の治療を見直したり、転院を検討したりするタイミングについて解説します。
 

【目次】

・不妊治療で「時間」が重要な理由

・「最短距離の治療」とは?

・今の治療を見直したいタイミング

・転院を検討する際に確認したいポイント

・転院は「治療を前に進める選択肢」のひとつ

・当院の治療方針とサポート体制

・まとめ

 

不妊治療で「時間」が重要な理由

不妊治療において、年齢は治療方針を考えるうえで重要な要素の一つです。

女性は生まれたときから卵子のもととなる細胞の数が決まっており、年齢とともにその数は減少します。また、加齢に伴って卵子の染色体異常の割合が増えることが知られており、妊娠率の低下や流産率の上昇にも関係します。

そのため、「まずは自然妊娠を長く試してから」「人工授精をできるだけ繰り返してから」と段階的に治療を進めることが、すべての方に適しているとは限りません。

年齢や卵巣予備能、卵管・精子の状態などによっては、早い段階で体外受精などを検討した方がよいケースもあります。

大切なのは治療を急ぐことではなく、必要以上に時間を費やさないことです。

 

「最短距離の治療」とは?

不妊治療における「最短距離」は、「最も高度な治療を最初から行うこと」ではありません。

例えば、タイミング法で十分に妊娠が期待できる方であれば、最初から体外受精を行う必要はありません。一方、両側卵管閉塞や重度の男性不妊などがある場合には、タイミング法や人工授精を繰り返しても妊娠が難しいことがあります。

治療方針を考える際には、

・女性の年齢

・AMHなどからみた卵巣予備能

・卵管の状態

・精液検査の結果

・不妊期間

・これまでの治療内容と結果

などを総合的に評価します。

 

「一般的には次の治療だから」ではなく、患者さま一人ひとりの状況から、今どの治療を選択することが妊娠への可能性につながるのかを考えることが重要です。

 

今の治療を見直したいタイミング

同じ治療を続けても結果につながらない場合には、一度治療方針を見直すことも大切です。

例えば、

・タイミング法や人工授精を複数回行っても妊娠に至らない

・採卵を繰り返しても良好な胚が得られない

・胚移植を繰り返しても着床しない

・流産を繰り返している

・治療を続けているものの、今後の方針が明確になっていない

・年齢や卵巣機能を考えると時間への不安がある

といった場合には、「同じ治療をもう一度行う」だけでなく、これまでの結果を振り返り、原因や治療方法を改めて検討することが重要です。

 

治療がうまくいかなかったという結果にも、次の治療を考えるための情報が含まれています。
 

▶︎ 関連記事:タイミング法から人工授精(AIH)・体外受精(IVF)へ進む判断基準
▶︎ 関連記事:人工授精から体外受精への切り替えタイミング

 

転院を検討する際に確認したいポイント

転院を考える際には、単純に「妊娠率が高いクリニック」を探すのではなく、ご自身が必要としている治療を受けられる環境かどうかを確認することが大切です。

例えば、

・現在までの治療経過を踏まえて方針を提案してもらえるか

・必要な検査や治療の選択肢があるか

・体外受精・顕微授精などの培養環境が整っているか

・医師だけでなく胚培養士や看護師などの専門職が連携しているか

・治療方針や選択肢について十分な説明を受けられるか

なども重要な判断材料になります。

また、治療内容だけでなく、「なぜこの治療を行うのか」を理解し、納得して治療を続けられることも大切です。

 

 

転院は「治療を前に進める選択肢」のひとつ

転院を考えることに対して、「今までの治療が無駄になってしまうのでは」と感じる方もいらっしゃいます。

しかし、これまでに行った検査や治療、その結果は、次の治療方針を考えるための大切な情報です。

これまでの経過を整理したうえで別の医療機関の意見を聞くことで、新たな治療の選択肢が見つかることもあります。転院まで決断していなくても、セカンドオピニオンとして別の視点から治療方針について相談する方法もあります。

大切なのは「転院するか、しないか」そのものではありません。

今の治療を続ける理由に納得できているか、そして今の治療方針がご自身の時間や希望に合っているか。

一度立ち止まって確認することも、妊娠・出産という目標へ進むための大切な選択のひとつです。

 

当院の治療方針とサポート体制

ファティリティクリニック東京では、高度な医療と、心に寄り添うサポート体制の両立を目指しています。

① 医療の安全管理 ISO9001の認証を取得し、医療安全管理室を設置。すべての採卵・培養プロセスにおいて厳格な品質管理を徹底し、貴重な卵子ひとつひとつを安全・確実に扱う体制を整えています。

② 高い医療水準の維持 JISART(日本生殖補助医療標準化機関)の監査合格施設として、専門の医師と胚培養士が精密な治療体制を確立。過去の採卵データやホルモン値を詳細に分析し、型通りではない個別の卵巣刺激プロトコルをご提案します。難度の高い症例であっても、培養室の高度な環境と連携して胚発育の最大化を図ります。

③ 心に寄り添う医療の実践 医師・看護師・胚培養士・心理カウンセラーが連携し、検査や治療の内容を一つひとつ丁寧にご説明します。不妊治療が「つらいもの」ではなく、「希望に向かう選択」として感じられるようサポートします。

 

▶︎ 当院の特徴について詳しくはこちら

 

まとめ

今回は、不妊治療を「最短距離」で選ぶことの意味と、治療方針や転院を考えるタイミングについて解説しました。

不妊治療では、ただ早く高度な治療へ進めばよいわけでも、決められたステップをすべて順番に行えばよいわけでもありません。年齢や卵巣機能、不妊原因、これまでの治療経過を踏まえ、必要な治療を必要なタイミングで選ぶことが大切です。

今の治療に疑問や迷いがあるときは、それまでの治療を否定するのではなく、これまでに得られた情報をもとに、今後の選択肢を改めて考える機会と捉えてみてください。

ファティリティクリニック東京では、これまでの検査結果や治療経過も踏まえながら、患者さま一人ひとりに合った治療方針を一緒に考えていきます。

 

ホーム
>
スタッフブログ