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顕微授精(ICSI)で卵子は傷つく?熟練の胚培養士が教える『低侵襲』な技術
院長 小田原圭2026年08月26日

 

はじめに

体外受精のステップにおいて、精子の受精障害や数が少ない場合に選ばれる「顕微授精(ICSI:卵細胞質内精子注入法)」。顕微鏡下でたった1匹の精子を選び出し、細いガラス針で直接卵子の中に注入する極めて高度な技術です。

その一方で、患者さまからよくいただくのが「針を刺すことで大切な卵子が傷ついてしまわないか」「物理的なダメージで卵子が壊れて(変性して)しまわないか」というご不安の声です。

不妊治療において、獲得できた卵子一つひとつは替えのきかない大切な命の可能性です。今回は、顕微授精における卵子への影響や、ファティリティクリニック東京が実践する卵子を傷つけない『低侵襲(ていしんしゅう)』な顕微授精技術について、胚培養士の視点から詳しく解説します。

 

【目次】

・顕微授精(ICSI)で「卵子が傷つく」と言われる理由

・卵子へのダメージを極限まで抑える「低侵襲ICSI」とは?

・ファティリティクリニック東京が誇る熟練の胚培養士チーム

・精密な培養環境と安全管理(ISO9001・JISART)

・顕微授精を検討されている患者さまへ

・当院の治療方針とサポート体制

・まとめ

 

顕微授精(ICSI)で「卵子が傷つく」と言われる理由

卵子は直径わずか約0.1ミリ(100ミクロン)という非常に小さく繊細な細胞です。表面は「細胞膜」という弾力性のある薄い膜で覆われています。

顕微授精では、超細小のガラス針(ピペット)をこの細胞膜に刺し込み、精子を細胞質内へ注入します。この時、以下のような要因が重なると、卵子が物理的ストレスに耐えきれず「変性(退化)」してしまうリスクが生じます。

 

・卵子の細胞膜の脆弱性(加齢や体質による膜の脆さ)

・技術者の手技による過度な圧力や刺激

・注入時の培養液の温度やpH(酸性度)の変化

 

一般的に、顕微授精における卵子の変性率は全国平均で数%程度存在するとされています。だからこそ、1個の卵子も無駄にしないための「技術力と環境」が何より重要になるのです。

 

卵子へのダメージを極限まで抑える「低侵襲ICSI」とは?

「低侵襲(ていしんしゅう)」とは、体や細胞への負担・ダメージを最小限に抑えることを意味します。当院では、卵子にかかる物理的・化学的ストレスを限りなくゼロに近づけるため、次のような高度な手技・アプローチを徹底しています。

低侵襲技術のポイント 技術的な工夫と患者さまへのメリット
① 超極細かつ滑らかなガラス針の使用 先端の形状や先端角にこだわった専用ピペットを使用。卵子の細胞膜を無理に破るのではなく、スムーズかつ最小限の切れ込みで刺入します。
② 膜の吸引・穿刺(せんし)の精密コントロール 卵子の弾力性を見極め、最小限の吸引圧で細胞膜を開孔。細胞質内への余計な刺激や液体の流入を防ぎます。
③ ピエゾICSI(パルス駆動型ICSI)等の最適化 卵子の状態や膜の硬さに合わせて、微振動で膜を破る特殊な装置(ピエゾ素子)などを選択・活用し、膜への負担を軽減します。
④ 注入時間の極小化 顕微鏡下での操作時間を極限まで短縮。外気に触れる時間を減らし、卵子の環境変化ストレスを物理的に防ぎます。

 

ファティリティクリニック東京が誇る熟練の胚培養士チーム

どれほど最新の機器を導入していても、最終的に顕微授精の成否を分けるのは「胚培養士の手技と経験」です。

当院の培養室(ラボ)に所属する胚培養士は、厳しいトレーニングを積み、生殖補助医療に関する専門知識と高い技術力を備えたプロフェッショナル集団です。

 

・個々の卵子の状態を瞬時に見極める「見極めの力」
卵子は同じ患者さまでも採卵周期によって膜の硬さや粘性が異なり、また同じ採卵周期であっても卵子一つひとつ異なります。熟練の培養士は、針が膜に触れた瞬間の抵抗感や弾力を手指の感覚と視覚で正確に感知し、その卵子に合わせた最適な圧とスピードで注入を行います。

・徹底した二重チェック体制と標準化
個人の感性だけに頼るのではなく、手技の標準化とダブルチェックを徹底することで、どの培養士が担当しても高い成功率と低変性率を維持できる体制を確立しています。

 

▶︎ 関連記事:培養室(ラボ)の環境が結果を左右する? 顕微授精における胚培養士の熟練度とは

 

 

精密な培養環境と安全管理(ISO9001・JISART)

顕微授精の成功には、手技そのものだけでなく「卵子を扱う空間の環境管理」が欠かせません。

 

・24時間厳格に管理された培養室(インキュベーター)
温度・湿度・ガス濃度(CO2/O2)を胎内と同じ環境に微調整。万が一の停電や災害時にも、24時間自家発電機と無停電電源装置(UPS)が自動起動し、インキュベーターの安定稼働を1秒も絶やすことなく維持します。

・国際規格ISO9001・JISART認証による安全管理
検体の取り違え防止システムや、医療安全管理室による二重三重の監査を実施。お預かりした大切な卵子・精子・受精卵を、どんな不測の事態からも完璧に守り抜くインフラを整えています。

 

▶︎ 関連記事:【JISART・ISO9001ダブル認証】ファティリティクリニック東京の培養室(ラボ)の安全性と世界基準の管理体制

 

顕微授精を検討されている患者さまへ

「顕微授精に進むべきか迷っている」「卵子へのダメージが心配で踏み切れない」という方は、ぜひ一度当院のカウンセリングをご利用ください。

当院では、医師による診察だけでなく、実際に患者さまの卵子や精子を育てる胚培養士と直接話ができる場を設けています。顕微授精の必要性や技術的な安全性について、データをお見せしながら丁寧にご説明し、ご夫婦が心から納得して治療に臨めるようサポートいたします。

 

当院の治療方針とサポート体制

ファティリティクリニック東京では、高度な医療と、心に寄り添うサポート体制の両立を目指しています。

① 医療の安全管理 ISO9001の認証を取得し、医療安全管理室を設置。すべての採卵・培養プロセスにおいて厳格な品質管理を徹底し、貴重な卵子一つひとつを安全・確実に扱う体制を整えています。

② 高い医療水準の維持 JISART(日本生殖補助医療標準化機関)の監査合格施設として、専門の医師と胚培養士が精密な治療体制を確立。過去の採卵データやホルモン値を詳細に分析し、型通りではない個別の卵巣刺激プロトコルをご提案します。難度の高い症例であっても、培養室の高度な環境と連携して胚発育の最大化を図ります。

③ 心に寄り添う医療の実践 「また採卵数が少なかったらどうしよう」という不安は、治療を継続する上で大きなプレッシャーとなります。当院では医師・看護師だけでなく、心理カウンセラーも在籍しており、過去の治療結果に対する落胆や、次のステップへの迷いについていつでも相談できる環境を整えています。

 

▶︎ 当院の特徴について詳しくはこちら

 

まとめ

今回は、顕微授精(ICSI)における卵子への影響と、ファティリティクリニック東京が実践する『低侵襲』な技術について解説しました。

顕微授精は、熟練した胚培養士の手技と精密な培養環境が揃うことで、卵子へのダメージを最小限に抑え、高い受精率を引き出すことができる非常に安全な高度生殖医療です。

「大切な卵子を安心して預けられるクリニックを選びたい」とお考えの方は、ぜひ当院へご相談ください。

 

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