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採卵数が少ないのは体質のせい?卵巣刺激法を変えるだけで変わる結果
院長 小田原圭2026年08月19日

 

はじめに

体外受精の採卵に挑む際、多くの方が「たくさんの卵子が採れてほしい」「状態の良い胚が育ってほしい」と願うものです。 しかし、いざ採卵を終えてみると「予想よりも採卵数が少なかった」「未成熟な卵子ばかりだった」と落胆されるケースは少なくありません。

「私の体質のせいなのだろうか」「これ以上続けても結果は変わらないのでは」と諦めかけてしまう方もいらっしゃいますが、決して自己責任ではありません。

実は、採卵数は「その人の体質」だけで決まるのではなく、お薬や注射による「卵巣刺激法(刺激プロトコル)」の向き・不向きが大きく関係しています。今回は、採卵数が伸び悩む理由や、刺激法を見直すことで結果がどう変わるのかについて解説します。

 

【目次】

・採卵数が少なくなってしまう主な原因

・「体質」と「卵巣刺激法」の相互関係

・不妊治療において採卵数が重視される理由

・刺激法を変えることで期待できる変化とアプローチ

・刺激法見直しのメリットと注意点

・当院の治療方針とサポート体制

・まとめ

 

採卵数が少なくなってしまう主な原因

採卵数が少なくなる背景には、女性の体調や卵巣の状態、そして薬剤の反応性など、複数の要因が絡み合っています。

・卵巣予備能(AMH値・AFC)の低下: 加齢や個人差により、卵巣内に残っている卵子の在庫数(AMH:アンチミューラリアンホルモン)や、その周期に育ち始める胞状卵胞数(AFC)が少なくなっている場合です。

・薬剤への低反応: 卵巣内に卵胞が存在していても、使用した排卵誘発剤の種類や投与量が適切でなく、卵胞がうまく育たないケースです。

・卵胞の発育不揃い: 刺激を開始した際、特定の卵胞だけが急速に大きくなり、他の小さな卵胞が成長を止めてしまうことで、最終的に採卵できる数が減ってしまう現象です。

・空胞: 超音波検査では卵胞が見えていても、穿刺してみると中に卵子が入っていない、あるいは回収できない状態です。

 

「体質」と「卵巣刺激法」の相互関係

「採卵数が少ない=自分の卵巣がダメなんだ」と捉えてしまいがちですが、それは誤解です。

卵巣刺激とは、例えるなら「土壌(卵巣)に合わせた肥料(お薬)を与える作業」です。どれほど潜在的な力を持っている卵巣であっても、その周期のホルモン状態や卵巣のタイプに合わない刺激を行えば、かえって卵胞が不揃いになったり、発育が途中で止まったりします。

つまり、「体質が悪い」のではなく「現在の刺激法が卵巣のポテンシャルを引き出せていない」可能性が高いのです。

 

不妊治療において採卵数が重視される理由

体外受精において、ある程度の採卵数を確保することは治療成績に直結します。

1回で複数の卵子が回収できれば、それだけ受精・胚発育(胚盤胞到達)へ進む候補が増えます。良好胚を複数凍結することができれば、1回の採卵から複数回の移植にトライできるようになり、結果として「妊娠1回あたりのコストや体力的負担」を抑え、早期の妊娠へとつながるためです。

 

刺激法を変えることで期待できる変化とアプローチ

高刺激法で結果が出なかった場合でも、刺激法や薬剤の組み合わせを変更(個別化)することで、採卵数や卵子の質が劇的に改善することがあります。

・高刺激法(アンタゴニスト法・PPOS法など): 卵巣予備能が十分にある場合、注射や内服を組み合わせて一度に多くの卵胞を一気に均一に育てる方法です。

・低刺激法(クロミフェン・レトロゾール主体の微刺激): AMHが低い方や高刺激で反応しにくい場合、強い注射を乱用せず、質の良い少数の卵胞をじっくり育てるアプローチです。

 

卵巣の反応を見極め、投与するホルモン剤の変更やトリガー(排卵を促す最後の注射・点鼻薬)のタイミングを数時間単位で微調整するだけで、回収できる成熟卵の数が大きく変わります。

 

 

刺激法見直しのメリットと注意点

メリット

・ご自身の卵巣のタイプに合わせた「オーダーメイドの刺激」を行うことで、これまでより多くの成熟卵や質の良い胚が得られる可能性が高まります。

・身体への負担や薬剤の費用を最適化し、うまくいかない周期を減らすことができます。

 

注意点

・AMHが極めて低い場合など、刺激法を最適化しても急激に採卵数が「10個以上」などへと増えるわけではありません。数だけでなく「質の高い卵子を確実に1〜2個採る」という質重視のアプローチへ切り替える視点も大切になります。

 

▶︎ 関連記事:「いつもと同じ刺激法」でいいの? 卵巣予備能(AMH)に合わせたオーダーメイド刺激の重要性

 

当院の治療方針とサポート体制

ファティリティクリニック東京では、高度な医療と、心に寄り添うサポート体制の両立を目指しています。

① 医療の安全管理

ISO9001の認証を取得し、医療安全管理室を設置。すべての採卵・培養プロセスにおいて厳格な品質管理を徹底し、貴重な卵子ひとつひとつを安全・確実に扱う体制を整えています。

② 高い医療水準の維持

JISART(日本生殖補助医療標準化機関)の監査合格施設として、専門の医師と胚培養士が精密な治療体制を確立。過去の採卵データやホルモン値を詳細に分析し、型通りではない個別の卵巣刺激プロトコルをご提案します。難度の高い症例であっても、培養室の高度な環境と連携して胚発育の最大化を図ります。

③ 心に寄り添う医療の実践

「また採卵数が少なかったらどうしよう」という不安は、治療を継続する上で大きなプレッシャーとなります。当院では医師・看護師だけでなく、心理カウンセラーも在籍しており、過去の治療結果に対する落胆や、次のステップへの迷いについていつでも相談できる環境を整えています。

 

▶︎ 当院の特徴について詳しくはこちら

 

まとめ

今回は「採卵数が少ない原因と卵巣刺激法の見直し」について解説しました。

「採卵数が少なかった」という過去の結果は、あなたの体質決定打ではありません。それは単に「その時のお薬やアプローチが卵巣に合っていなかった」というサインであるケースも多いのです。

当院では、これまでの治療経過を丁寧に紐解き、患者さま一人ひとりの卵巣が持つ本来の力を引き出す最適な選択肢をご提案しています。これまでの結果でお悩みの方や、刺激法の変更をご検討中の方は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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