



精液検査で「精子が確認できませんでした」と告げられると、多くの男性が大きなショックを受けます。
無精子症は、精子がまったく存在しない状態を指しますが、その原因や治療の可能性は一つではありません。
今回は、無精子症の種類(閉塞性と非閉塞性)の違い、検査の進め方、治療の選択肢について詳しく解説します。
無精子症とは、射出された精液中に精子がまったく存在しない状態を指します。
100人に1人の割合で見られるとされており、男性不妊の中でも比較的まれなケースです。
一度の精液検査で診断されるわけではなく、通常は2回以上の検査で確認されます。
無精子症には、主に以下の2種類があります。
精子は作られているものの、通り道(精管など)がまっていることで精液中に出てこないタイプ。精巣の造精機能は保たれているため、精子回収の可能性が高く、顕微授精などの治療が現実的です。
精子を作る働き自体が弱くなっている状態。精巣内においても精子がほとんど、またはまったく作られていない可能性があります。精巣内精子回収術(TESE)などで、ごくわずかに精子を回収できるケースもあります。
原因はさまざまで、以下のような要因が関与します。
・先天的な精管の欠損や閉塞(例:先天性精管欠損)
・過去の感染症や手術による後遺症(例:鼠径ヘルニア手術後)
・ホルモン異常(FSH・LH・テストステロンの異常値)
・染色体異常や遺伝的な要因(例:クラインフェルター症候群、AZF欠失)
精液検査に加え、血液検査(ホルモン値・染色体検査)、超音波検査(精管の有無や逆流)、必要に応じて**精巣生検(MD-TESE)**が行われ、無精子症の分類と治療方針が検討されます。
治療方法は無精子症のタイプによって異なります。
閉塞部位の外科的治療(精管再建)や、**精巣上体からの精子回収術(MESA)**などが選択肢となり、回収した精子で顕微授精を行います。
**精巣内精子回収術(MD-TESE)**が検討されます。回収できる精子があれば、顕微授精への移行が可能です。
ただし、回収率は低いため、手術の実施は慎重な判断が求められます。
当院では、男性不妊に関する高度な検査や手術が必要なケースでは、**「つじクリニック」や「東邦大学医療センター大森病院」**などの連携医療機関をご紹介しています。
特に、TESEや遺伝子検査など泌尿器科的対応が求められるケースでは、連携先とのスムーズな診療連携により、精密な評価と適切な治療の選択をサポートしています。
ファティリティクリニック東京では、高度な医療と、心に寄り添うサポート体制の両立を目指しています。以下の3つの方針に基づき、安心して治療に取り組んでいただける環境を整えています。
① 医療の安全管理
ISO9001の認証を取得し、医療安全管理室を設置。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)や多胎妊娠のリスク回避、災害時でも培養機器が安定稼働するようなシステムを導入しています。
② 高い医療水準の維持
JISART(日本生殖補助医療標準化機関)の監査合格施設として、精密な胚培養技術と専門スタッフによる治療体制を確立。単一胚移植による高い妊娠率の維持を目標に掲げています。
③ 心に寄り添う医療の実践
医師・看護師・胚培養士・心理カウンセラーが連携し、検査や治療の内容を一つひとつ丁寧にご説明します。不妊治療が「つらいもの」ではなく、「希望に向かう選択」として感じられるようサポートします。
今回は「無精子症とは?閉塞性・非閉塞性の違いと治療方法」について解説しました。
無精子症と診断されても、すべてのケースが妊娠の可能性を失うわけではありません。
原因や分類を正確に把握すること、そして必要に応じて専門医と連携した検査・治療を進めることが大切です。
当院では、女性だけでなく男性側の検査・相談体制も整えております。ご不安な方は、どうぞお気軽にご相談ください。