



妊活や不妊治療というと、女性側の問題に焦点が当たりやすい傾向がありますが、実際には不妊の原因の約半数に男性側の要因が関わっています。
男性不妊は、適切に検査し、早期に原因を明らかにすることで治療方針が大きく変わる分野でもあります。
今回は、男性不妊とは何か、どのような原因があるのか、そして検査の進め方についてわかりやすく解説します。
男性不妊とは、「パートナーに妊娠可能な機能があるにもかかわらず、男性側の原因で妊娠が成立しにくい状態」を指します。
不妊症カップルのうち、男性側のみに原因がある割合は約25%、男女両方に原因があるケースを含めると約半数に関与しているとされています。
見た目や体調に異常がない場合でも、精子の数や運動率、形態などに問題があれば、自然妊娠が難しくなる可能性があります。
自然妊娠においては、射精された精子が子宮を通って卵管まで移動し、卵子と出会って受精する必要があります。
そのため、精子の「量」「運動性」「形の正常さ」「DNAの質」など、複数の要素が重要です。
以下は精液所見の基本的な項目の例です(WHO基準):
・総精子数:約3,900万個以上(1回の射精あたり)
・運動率:前進運動精子が42%以上
・正常形態率:4%以上
・精液量:1.4mL以上
これらの基準を満たさない場合、自然妊娠の確率が下がるとされ、治療介入の検討対象となります。
男性不妊には大きく分けて3つのタイプがあります。
精子の数や質に問題がある状態で、不妊男性の約80%以上が該当します。
・無精子症(精液中に精子が存在しない)
・乏精子症(精子の数が少ない)
・精子無力症(運動率が低い)
・奇形精子症(正常形態の割合が少ない)
精子が作られていても、通り道に閉塞や欠損があり、精液中に精子が出てこない状態。
・精管閉塞、射精管閉塞、逆行性射精などが該当。
勃起障害(ED)や射精障害など、性交そのものが困難である状態。
・糖尿病や神経障害、心理的要因なども関与します。
以下のような項目に該当する場合は、早めの検査が推奨されます。
・結婚・同居から1年以上避妊せず妊娠に至らない
・パートナーの検査で女性側の要因が見つからなかった
・過去に精巣の手術歴がある(停留精巣・鼠径ヘルニアなど)
・思春期以降に精巣の腫れや痛みがあった
・陰嚢の静脈が浮き出るように見える(精索静脈瘤の疑い)
・性交や射精に支障がある
自覚症状がないケースも多いため、早期に専門機関での検査を受けることが大切です。
男性不妊の基本的な検査は以下の通りです。
最も基本的な検査で、精子数・運動率・形態・pH・白血球の有無などを調べます。
精子の産生をコントロールするホルモン(LH、FSH、テストステロンなど)のバランスを調べます。
精巣の形状や血流、精索静脈瘤の有無などを評価します。
無精子症や重度の造精機能障害では、染色体異常の関与がないかを確認します。
精子のDNA損傷の有無を調べ、胚の発育や着床への影響を評価する補助的検査です。
これらの検査結果に応じて、自然妊娠の可能性や、人工授精・体外受精・顕微授精などの選択肢を判断します。
なお、当院では「恵比寿つじクリニック」や「東邦大学医療センター大森病院」など、男性不妊に注力する医療機関と連携し、必要に応じてご紹介を行っています。
ファティリティクリニック東京では、高度な医療と、心に寄り添うサポート体制の両立を目指しています。
① 医療の安全管理
ISO9001の認証を取得し、医療安全管理室を設置。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)や多胎妊娠のリスク回避、災害時でも培養機器が安定稼働するようなシステムを導入しています。
② 高い医療水準の維持
JISART(日本生殖補助医療標準化機関)の監査合格施設として、精密な胚培養技術と専門スタッフによる治療体制を確立。単一胚移植による高い妊娠率の維持を目標に掲げています。
③ 心に寄り添う医療の実践
医師・看護師・胚培養士・心理カウンセラーが連携し、検査や治療の内容を一つひとつ丁寧にご説明します。不妊治療が「つらいもの」ではなく、「希望に向かう選択」として感じられるようサポートします。
今回は「男性不妊の基礎知識と原因」について解説しました。
男性不妊は、外見や自覚症状では判断しづらいことが多く、適切な検査によってはじめて原因が明らかになります。
妊娠を希望するカップルにとって、パートナー双方の検査と理解がとても大切です。
ファティリティクリニック東京では、男性不妊の専門的な検査と治療にも対応しておりますので、気になることがあればどうぞお気軽にご相談ください。