


不妊治療、特に体外受精や顕微授精においては、目に見えないほど小さな卵子や精子、そして受精卵(胚)を扱います。患者さまが最も不安に思われることの一つが、万が一の「取り違え(ヒューマンエラー)」ではないでしょうか。
どれだけ経験豊富な胚培養士であっても、人間の「目視」だけに頼る管理には限界があります。だからこそ、生殖医療の現場には、客観的かつ物理的にミスをゼロにするシステムが必要です。
ファティリティクリニック東京は、国際基準の品質管理規格である「ISO9001」および「JISART」の認証施設として、最先端の「バーコード照合システム」と「タイムラプスインキュベーター」を導入しています。今回は、当院が誇る「取り違えリスクゼロ」を実現する独自の仕組みを解説します。
・受精卵を外に出さない「タイムラプスインキュベーター」とは?
体外受精のプロセスでは、採卵、受精、培養、凍結、移植にいたるまで、検体(卵子・精子・受精卵)を別の容器へ移し替える作業が何度も発生します。
従来の不妊治療クリニックでは、容器に名前を記載し、2人の胚培養士が声を出して名前を確認する「目視によるダブルチェック」が一般的でした。しかし、この方法では忙しい時間帯や人間の思い込みによる確認漏れを完全に排除することはできません。
当院では、この「人間の目への依存」をなくし、医療安全を高めるためにテクノロジーを用いた2つの柱で管理を行っています。
ファティリティクリニック東京では、患者さまの取り違えを防止するため、配偶子(卵子・精子)と受精卵のすべてを「電子バーコード」で管理しています。
| 工程 | 具体的なバーコード照合の仕組み |
|---|---|
| 1. ご来院時 | 患者さまご本人のIDを読み取ります。 |
| 2. 採卵・採精 | 採取した容器に、患者さま固有のバーコードラベルが発行・貼付されます。 |
| 3. 培養室(ラボ)内 |
卵子や精子を別のシャーレ(容器)に移し替える際、元容器と新容器のバーコードを専用リーダーでスキャンします。 |
一致しない場合はアラームで強制ストップ
万が一、異なる患者さまのバーコード同士をスキャンした場合、システムが瞬時にエラーを検知し、警告音(アラーム)が鳴り響きます。同時に、操作端末がロックされるため、培養士が物理的に次の操作へ進めない仕組みになっています。
取り違えリスクをさらに低減させる画期的な設備が、当院が導入している「タイムラプスインキュベーター(個体別胚培養装置)」です。
従来の培養器(インキュベーター)は、受精卵の成長を確認するために、毎日決まった時間に培養器の扉を開け、受精卵を外に取り出して顕微鏡で観察する必要がありました。この「出し入れ」の瞬間こそが、他の患者さまの受精卵と混同するリスク(移動のミス)や、外気に触れることによる受精卵へのストレスの原因になっていました。
タイムラプスの革新的な仕組み
・24時間連続カメラ撮影: 培養器の内部に高性能カメラが内蔵されており、受精卵の成長を一定間隔で自動撮影します。
・扉の開閉が不要: 胚培養士は、培養器の外にあるモニター画面を通じて受精卵の成長をリアルタイムで観察できます。
・完全個室管理: 患者さまごとに独立した専用スペース(個室)で培養するため、他の患者さまの受精卵と物理的に接触する機会がありません。
当院の安全管理は、単に機械を導入しているだけではありません。JISART認定施設として、システムを運用する「人」の教育も徹底しています。
1.バーコードと「人の目」によるトリプルチェック
機械によるバーコード照合に加え、熟練の胚培養士による目視確認も並行して行い、安全の掛け算を行っています。
2.徹底された作業環境の分離
培養室内の作業スペース(クリーンベンチ)では、同時に複数の患者さまの検体を持ち込むことを規律として厳格に禁止しています。「1スペースにつき、1患者さまのみ」を徹底しています。
高度なテクノロジーを用いた品質管理は、治療を受けられる患者さまに以下のような非常に大きなメリットをもたらします。
・「取り違え」に対する不安や精神的ストレスからの解放
・受精卵を外気に一切触れさせないため、受精卵の質(胚盤胞到達率)の維持・向上が期待できる
・全ての培養データがデジタル保存されるため、成長プロセスをいつでも正確に振り返ることができる
不妊治療において、技術の高さ(妊娠率)と同じくらい大切なのが、「安心して大切な命を預けられるか」という信頼性です。当院は、その信頼を客観的なデータと設備で証明しています。
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ファティリティクリニック東京では、高度な医療と、心に寄り添うサポート体制の両立を目指しています。
① 医療の安全管理
ISO9001の認証を取得し、医療安全管理室を設置。顕微授精で使用する大切な精子と卵子の取り違えを防止するため、バーコードを用いた厳格なダブルチェックシステムを導入し、ラボ内の環境を常に最適に維持しています。
② 高い医療水準の維持
JISART(日本生殖補助医療標準化機関)の監査合格施設として、専門の胚培養士が精密な治療体制を確立。顕微授精は培養士の熟練度が結果を左右するため、定期的な技術研修やシミュレーションを行い、ミリ単位以下の高精度な受精操作をご提供します。
③ 心に寄り添う医療の実践
医師・看護師・胚培養士・心理カウンセラーが連携し、検査や治療の内容を一つひとつ丁寧にご説明します。不妊治療が「つらいもの」ではなく、「希望に向かう選択」として感じられるようサポートします。
今回は、ファティリティクリニック東京が実践する「バーコード照合システム」と「タイムラプスインキュベーター」による安全管理の仕組みについて解説しました。
当院では、「医療に絶対はない」という危機感を常に持ち、だからこそ「ミスが起こり得ない最新システム」を整備し続けています。患者さまからお預かりした大切な未来の可能性を、世界基準の安全性でお守りすることをお約束いたします。