


不妊治療を行うクリニックを選ぶ際、「妊娠率」や「治療実績」に注目される方は多いかもしれません。しかし、体外受精や顕微授精では、それと同じくらい重要なのが受精卵を育てる培養環境の品質管理です。
受精卵は非常に繊細であり、温度や湿度、ガス濃度などのわずかな変化が発育に影響を与える可能性があります。そのため、生殖医療施設には高度な技術だけでなく、継続的な品質管理体制が求められます。
今回は、当院も認定を受けている「JISART認定」とは何か、その役割や患者さまにとってのメリットについて解説します。
JISART(日本生殖補助医療標準化機関)は、生殖補助医療(ART)の質と安全性の向上を目的として設立された第三者機関です。
JISART認定施設になるためには、
・医療安全管理体制
・培養室の環境管理
・胚培養技術
・患者情報管理
・倫理的な医療体制
など、多岐にわたる厳格な基準を満たし、定期的な監査を受ける必要があります。
つまり、JISART認定は「体外受精を行っている施設」であることではなく、「一定以上の品質と安全性を維持している施設」であることを示す指標の一つといえます。
体外受精や顕微授精では、採卵後の卵子や受精卵を数日間培養します。
この間、受精卵は培養器(インキュベーター)の中で成長しますが、
・温度
・二酸化炭素濃度
・酸素濃度
・湿度
・空気中の微粒子や揮発性物質
などの影響を受けます。
わずかな環境変化でも胚発育に影響する可能性があるため、安定した培養環境を維持することが重要です。
JISART認定施設では、治療成績だけでなく、日々の管理体制も厳しく評価されます。
例えば、
・培養室への入室管理
・機器の定期点検
・緊急時対応マニュアルの整備
・医療事故防止対策
・スタッフ教育体制
などが求められます。
また、認定後も継続的な監査が行われるため、一度認定を取得すれば終わりではなく、常に高い水準を維持することが必要です。
受精卵の培養は、診療時間中だけでなく24時間体制で管理されています。
例えば、
・培養器の温度・ガス濃度の常時監視
・異常発生時の警報システム
・停電時にも対応できるバックアップ電源
・災害時のリスク管理体制
などが整備されています。
患者さまからお預かりした大切な卵子や受精卵を守るためには、「何も起こらないこと」だけでなく、「万が一に備えること」も品質管理の重要な要素です。
不妊治療の施設を選ぶ際には、妊娠率だけでなく、以下のような点にも注目することが大切です。
・培養室や設備に関する情報が公開されているか
・品質管理体制が整っているか
・第三者機関による認定を受けているか
・医療安全への取り組みが明確か
治療は医師だけでなく、培養士や看護師、設備管理を含めたチーム全体で支えられています。
そのため、「どこで治療を受けるか」は妊娠への大切な要素の一つといえるでしょう。
ファティリティクリニック東京では、高度な医療と、心に寄り添うサポート体制の両立を目指しています。
1.医療の安全管理: ISO9001の認証を取得し、医療安全管理室を設置。胚の取り違え防止システムや、培養環境の24時間モニタリングなど、世界基準の安全管理下で大切に胚を守ります。
2.高い医療水準の維持: JISARTの監査合格施設として、胚盤胞移植やシート(SEET)法、ヒアルロン酸含有培養液の使用など、エビデンスに基づいた最新の着床率向上策をご提案します。
3.心に寄り添う医療の実践: 移植前後の緊張や判定待ちの不安は非常に大きいものです。医師や看護師だけでなくカウンセラーも在籍しており、一人ひとりの心のケアを大切にしています。
今回は「JISART認定」と、受精卵を守る品質管理体制について解説しました。
不妊治療では、医師の技術や治療方針だけでなく、受精卵が育つ環境の質も重要な要素です。JISART認定は、その品質と安全性を第三者の視点で評価する仕組みであり、患者さまが安心して治療を受けるための一つの目安となります。
当院では、JISART認定施設として、日々の品質管理と安全管理を徹底しながら、患者さまの大切な受精卵をお預かりしています。治療環境について気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。