Fertility Clinic Tokyo
スタッフブログ

スタッフブログ

受精卵のグレードとは?わかりやすい解説
院長 小田原圭2026年05月20日

 

 

はじめに

体外受精や顕微授精において、胚移植を控えた患者さまから最も多く寄せられる質問の一つが「受精卵のグレード」についてです。

 

「グレードが良いから必ず妊娠するの?」「グレードが低いと期待できないの?」といった不安を感じる方も少なくありません。

 

受精卵のグレードは、あくまで「見た目上の評価」であり、妊娠の可能性を推測する一つの目安です。今回は、グレードの評価基準や、その結果をどのように捉えるべきかについて詳しく解説します。

 

【目次】

・受精卵の評価(グレード)とは?

・初期胚のグレード評価(Veeck分類)

・胚盤胞のグレード評価(Gardner分類)

・グレードと妊娠率の関係

・評価がすべてではない?知っておきたい注意点

・当院の治療方針とサポート体制

・まとめ

 

受精卵の評価(グレード)とは?

受精卵のグレードとは、培養士が顕微鏡下で受精卵の形や発育スピードを観察し、一定の基準に沿って数値やアルファベットでランク付けしたものです。

これは、移植する受精卵の優先順位を決めるための指標となります。評価は「初期胚(採卵後2〜3日目)」と「胚盤胞(採卵後5〜6日目)」で異なる分類法が使われます。
 

初期胚のグレード評価(Veeck分類)

採卵後2〜3日目の初期胚は、細胞分裂の数と「フラグメンテーション(細胞の削りカス)」の割合で評価されます(Veeck分類)。

 

・グレード1: 細胞が均等に分割しており、フラグメンテーションがない。

・グレード2: 細胞が均等に分割しているが、わずかにフラグメンテーションがある。

・グレード3: 細胞の分割が不均等である。

・グレード4〜5: フラグメンテーションが多く、細胞の境界が不明瞭。

 

一般的に、グレード1や2が「良好胚」とされます。
 

胚盤胞のグレード評価(Gardner分類)

採卵後5〜6日目まで育った胚盤胞は、より詳細な評価(Gardner分類)が行われます。

・発育段階(1〜6の数字): 胚の膨らみ具合(数字が大きいほど発育が進んでいる)。

・内細胞塊(A〜Cの英字): 赤ちゃんになる部分の細胞密度。

・外胚葉(A〜Cの英字): 胎盤になる部分の細胞密度。

例えば「4AA」であれば、発育が進んでおり、どちらの細胞密度も高い最高評価の胚ということになります。
 

グレードと妊娠率の関係

グレードが高い(見た目が美しい)受精卵ほど、着床しやすく妊娠率が高い傾向にあるのは事実です。

しかし、これはあくまで「見た目の評価」です。グレードが低くても健康な赤ちゃんとして誕生するケースは数多くあります。逆に、最高グレードであっても着床しないこともあります。これは、見た目だけでは分からない「染色体の状態」や「子宮内膜側の環境」も妊娠に大きく関わるためです。
 

評価がすべてではない?知っておきたい注意点

受精卵のグレードについて、以下の点に留意することが大切です。

・グレード=赤ちゃんの健康状態ではない: グレードはあくまで「着床のしやすさ」の目安であり、誕生するお子さんの健康や知能を保証するものではありません。

・培養士の目と環境: 評価は熟練の培養士が行いますが、何より大切なのは、その評価が出るまでの「育つ環境(ラボ)」です。

・年齢の影響: 実年齢による卵子の質の影響は、見た目のグレード以上に妊娠率に寄与することがあります。

 


 

当院の治療方針とサポート体制

ファティリティクリニック東京では、高度な医療と、心に寄り添うサポート体制の両立を目指しています。

1.医療の安全管理: ISO9001の認証を取得し、医療安全管理室を設置。受精卵の取り違え防止や、インキュベーター(培養器)の厳密な管理により、受精卵がストレスなく育つ環境を維持しています。

2.高い医療水準の維持: JISART(日本生殖補助医療標準化機関)の監査合格施設として、専門スタッフが精密な治療体制を確立。タイムラプス撮影による最新の観察システムを導入し、胚を外に出さずに最適なタイミングでグレード評価を行っています。

3.心に寄り添う医療の実践: 「グレードの結果に一喜一憂してしまう」というお悩みは非常に多いものです。医師や培養士が丁寧な説明を心がけるとともに、心理カウンセラーも在籍しており、メンタル面でのサポートも充実させています。

 

▶︎ 当院の特徴について詳しくはこちら
 

まとめ

今回は「受精卵のグレード」について解説しました。

グレードはあくまで治療を円滑に進めるための目安であり、生命の力をすべて表すものではありません。一つの数字や記号に不安を感じすぎず、前向きに移植に臨めるよう、当院のスタッフが全力でバックアップいたします。

受精卵の状態について詳しく知りたい方は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

ホーム
>
スタッフブログ