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人工授精は何回まで行うべき?目安と判断ポイント
院長 小田原圭2025年11月19日

 

はじめに

タイミング法で妊娠に至らなかった方にとって、次のステップとして選ばれることが多いのが「人工授精(AIH)」です。

身体への負担が比較的少ない治療法である一方、「何回まで続けるべき?」「結果が出ないとき、どこで見切りをつけるの?」といった不安や迷いの声も多く聞かれます。

 

今回は、人工授精を何回行うべきか、その判断の目安や、ステップアップを考えるタイミングについて解説します。

 

【目次】

・人工授精(AIH)とは?

・妊娠率と回数の目安

・何回までが現実的?

・結果が出ないときの判断ポイント

・体外受精へのステップアップの目安

・当院の治療方針とサポート体制

・まとめ

 

人工授精(AIH)とは?

人工授精とは、排卵のタイミングに合わせて、精子を子宮内に直接注入することで妊娠をサポートする治療です。

タイミング法と比較して、精子が確実に子宮に届くため、受精のチャンスを高められる治療法です。

 

あくまで受精・着床は自然のプロセスに任せる方法であり、体外での受精・培養を行う体外受精とは異なります。

 

妊娠率と回数の目安

人工授精の1回あたりの妊娠率は女性の年齢によって変化しますが約5〜10%とされており、決して高い数字ではありません。

複数回試行することで累積妊娠率は上がるものの、5〜6回を超えると妊娠率は頭打ちになるという報告もあります。

 

何回までが現実的?

一般的な目安は以下の通りです:

年齢・背景 AIH実施回数の目安
35歳未満 3〜6回程度
35歳以上 2〜4回程度で体外受精を検討
卵管・精子にやや問題がある場合 医師と相談のうえ、早期にステップアップも選択肢に

※上記はあくまで目安であり、年齢・AMH・卵管の状態・精液所見・治療歴などによって個別に判断します。

 

 

 

結果が出ないときの判断ポイント

以下のようなケースでは、人工授精を継続するよりも、次のステップへ進むことが望ましい場合があります:

 

・排卵誘発を併用しても卵胞の成長が不安定

・精液所見の改善が見られない

・毎回、子宮内膜の厚みが不十分

・AIH実施後の黄体機能不全がある

・心理的なストレスや焦りが強くなっている

 

特に年齢が35歳を超えている場合は、時間を重視することが重要です。

 

体外受精へのステップアップの目安

AIHで妊娠に至らなかった場合、次の選択肢となるのが体外受精(IVF)です。

以下のようなケースでは、AIHからIVFへの切り替えが適切です。

 

・35歳以上かつAIHを3〜4回行っても妊娠に至らない

・精子の運動率が低く、AIHの効果が限定的

・卵管因子(閉塞・癒着)が疑われる

・AMHが低値で、治療期間を短縮したい

・明確な原因がなく、年齢的に時間をかけづらい

 

当院の治療方針とサポート体制

ファティリティクリニック東京では、高度な医療と、心に寄り添うサポート体制の両立を目指しています。以下の3つの方針に基づき、安心して治療に取り組んでいただける環境を整えています。

 

① 医療の安全管理

ISO9001の認証を取得し、医療安全管理室を設置。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)や多胎妊娠のリスク回避、災害時でも培養機器が安定稼働するようなシステムを導入しています。

 

② 高い医療水準の維持

JISART(日本生殖補助医療標準化機関)の監査合格施設として、精密な胚培養技術と専門スタッフによる治療体制を確立。単一胚移植による高い妊娠率の維持を目標に掲げています。

 

③ 心に寄り添う医療の実践

医師・看護師・胚培養士・心理カウンセラーが連携し、検査や治療の内容を一つひとつ丁寧にご説明します。不妊治療が「つらいもの」ではなく、「希望に向かう選択」として感じられるようサポートします。

 

▶︎ 当院の特徴について詳しくはこちら

 

まとめ

今回は、人工授精を何回まで行うべきか、その判断の目安についてご紹介しました。

AIHは身体への負担が比較的少ない一方、回数を重ねることで心身への影響や時間の経過が結果的に妊娠の確率に影響することもあります。

 

“何回まで”という回数だけで判断するのではなく、今の身体の状態やご夫婦の想いをもとに、次のステップを検討することが大切です。

 

ファティリティクリニック東京では、無理なく納得できる妊活の選択肢をご提案できるようサポートしています。迷ったときこそ、一度ご相談ください。

 

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