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着床の窓
小田原 靖2016年09月21日

昔から、受精卵が着床するときには子宮内膜の受容性が増すと言われ、これを“着床の窓”と称して来ました。“着床の窓”を捕らえるため、私が大学にいた30年前には子宮内膜の病理検査で子宮内膜日付診を調べたり、20年前には電子顕微鏡で子宮内膜を調べてpinopodeというキノコ様の形態変化を見たりしていましたが、いずれも確定的なものではありませんでした。

 

最近ERA(Endometrial Receptivity Array) という検査が開発され、新たな“着床の窓”の検査法として注目されています。ERAでは着床期に子宮内膜に発現する300弱の遺伝子を調べます。この結果をもとに、例えば排卵後5日で発現すべき遺伝子が遅れて出てくる場合には移植を後にずらす、早く出る場合は前にずらす、などの治療が行われます。子宮内膜が薄い方はどうも遅れて戻す方が良い場合があります。当院でも反復着床不全の方にこの検査をして移植日を送らせて妊娠に至った症例があります。胚は良好なのになかなか着床に至らない場合、試す価値のある検査と思います。

 

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